卵殻膜とは

卵には、良質なたんぱく質をはじめ、ビタミンやミネラルがバランス良く豊富に含まれており、完全栄養食品とも呼ばれています。

卵の殻は通常捨てられてしまいますが、殻と白身の間に薄い白い膜があることがわかります、この膜を「卵殻膜」といいます。卵殻膜の厚さは0.07mmと非常に薄く、主成分は繊維状のたんぱく質で、20種類のアミノ酸で構成されています。

卵殻膜は、古くから民間薬として用いられていました。中国の薬学書「本草綱目(ほんぞうこうもく)」には創傷(皮膚の損傷)などの薬として記載されています。日本でも戦国時代には戦場で負傷した兵士に卵殻膜を貼って、早期の治療が行われていたと伝えられています。

ヒヨコと誕生と卵殻膜の役割

ヒヨコが誕生するまでの間、卵殻と卵殻膜が卵の中身を保護しています。中でも卵殻膜に含まれるコラーゲンやエラスチンが、保湿性や外部からの病原の侵入を防ぐバリヤーとしての役割を担っています。わずか21日間で新しい生命を生み出すのに卵殻膜が大いに役立っているわけです。

ヒヨコが誕生するまでの21日間、外部の微生物などから卵の中身をやさしく保護する役割を担う卵殻膜。ヒヨコにとって欠かせない卵殻膜は、私たち人間の健康にも大いに寄与する可能性を秘めており、最新の研究では、美容や関節に役立つことが解ってきています。

卵殻膜を構成する成分

たんぱく質

卵殻膜の85〜88%はたんぱく質で、約20%はエラスチン、15〜20%はコラーゲンで構成されています。アミノ酸組成は、エラスチンやコラーゲンに多く含まれるグリシン、プロリン、バリン等が多いのが特徴です。

ムコ多糖

卵殻膜には、関節、皮膚の機能性を維持するのに欠かせない、グルコサミン、コンドロイチン、ヒアルロン酸等のムコ多糖も含まれています。卵殻膜の美容作用や関節痛軽減作用は、エラスチン、コラーゲン等のたんぱく質だけでなく、これらのムコ多糖も作用に寄与していると考えられます。